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市場リスク

バーゼルII〜III初期の市場リスク枠組みとVaR手法の限界

1. VaR登場の背景1990年代初頭、金融市場のボラティリティが急拡大する中で、金融機関はポートフォリオ全体のリスク量を定量的に把握する手法を求めていました。こうした状況で登場したのがVaR(Value at Risk)です。JPモルガン...
市場リスク

市場リスクとは ― 定義と規制上の位置付け

市場リスク(Market Risk)は、金利、為替、株価、商品価格などの市場変数の変動によって金融機関が損失を被る可能性のあるリスクを指します。金融取引のグローバル化・高速化に伴い、市場リスクは金融機関の健全性を左右する重要なリスクカテゴリ...
オペレーショナルリスク

オペリスク計測手法とバーゼルIII最終化に伴う一本化

オペレーショナル・リスク(オペリスク)の資本規制対応においては、これまで複数の計測手法が併存してきました。しかし、実務上の課題や複雑性を踏まえ、バーゼルIII最終化では「標準化手法(Standardized Measurement Appr...
オペレーショナルリスク

オペレーショナル・リスク管理の重要性と規制上の位置付け

オペレーショナル・リスク(以下、オペリスク)は、金融機関の収益や資本に対して重大な影響を及ぼす可能性があります。バーゼル銀行監督委員会がオペリスクを定義し、計測・管理を求めている背景には、過去に発生した巨額損失事例が存在します。システム障害...
オペレーショナルリスク

バーゼル規制におけるオペレーショナルリスクの概要

1. 序論オペレーショナルリスク(Operational Risk)は、不適切または不十分な内部プロセス、人、システム、あるいは外部事象に起因する損失リスクとして定義されています(BCBS 2004)。このリスクは、信用リスクや市場リスクと...
信用リスク

EADの基本概念と貸出債権

1. EADとは何かEAD(Exposure at Default、デフォルト時エクスポージャー)とは、「債務者がデフォルトしたときに、銀行がどれだけのエクスポージャーを抱えているか」 を表す指標です。自己資本比率規制における信用リスク・ア...
信用リスク

信用リスクアセット計算の基本:RWA = EAD × RW

1. 信用リスクアセットとは?銀行が保有するエクスポージャー(貸出金や債券、デリバティブ取引など)に伴う信用リスクを、自己資本比率規制上どの程度のリスクとして計上すべきかを数値化したものが信用リスクアセット(Risk-Weighted As...
信用リスク

CCP(中央清算機関)向けエクスポージャーの評価とリスクウェイト

1. CCP向けエクスポージャーとは?中央清算機関(CCP)は、デリバティブ取引や債券貸借を清算する機関であり、取引当事者間に立って契約履行を保証します。銀行にとってCCP向けエクスポージャーは大きく以下の二つに分類されます:トレードエクス...
信用リスク

証券化向けエクスポージャーの評価とリスクウェイト

1. 証券化取引の定義(金融庁告示第1条第2号)金融庁告示では、証券化取引を次のように定義しています。二 証券化取引原資産に係る信用リスクを優先劣後構造の関係にある二以上のエクスポージャーに階層化し、その一部又は全部を第三者に移転する性質を...
信用リスク

ファンド向けエクスポージャーの評価とリスクウェイト

1. 「ファンド向けエクスポージャー」とは?バーゼル規制では、ファンドに対する投資は、その構成資産のリスクを間接的に保有する形態として扱われます。対象には、投資信託、私募ファンド、プライベートエクイティファンド、ファンド・オブ・ファンズなど...